特許事務員の教育についてインタビューします!!
特許事務専門の会社の視点で特許事務教育を考えてみましょう。
本記事の内容
(1)基礎教育に力を入れるべき!
改めて、皆さん特許事務についてはどれほどご存知でしょうか。
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弁理士の先生方と共に、クライアントの知的財産権を守りため日々奔走する特許事務員。上記関連記事にあるように、特許事務の仕事は非常に専門的です。そのため、特許事務の教育は、一般事務に比べて教育負担が大きくなります。
ここで、教育負担を大きくする要因の一例をご紹介します。
1.意味不明、ときに紛らわしい専門用語
2.期限の種類の多さと重さ
3.これまた多い、番号の種類
4.特許明細書内の不思議な日本語
こういったところでしょうか。これらが理解できなければお仕事にはなりません。新米さんが乗り越えるべき第1段階なのです。教育担当として、この基礎段階の教育を疎かにすると、ミスや離職に繋がりかねません。誰だって、よくわからない内容で注意されたり怒られたりすると、一気にモチベーションが下がるのは当たり前ですよね。
(2)教育負担は大きいのが課題!
しかし、特許事務所はどの事務所もいつだって大忙し。そんな中、新人教育を任された現場の事務員の負担は計り知れません。忙しい中必死に教えてくれる先輩の姿に、新米さんもどうしても質問しにくい空気を感じて、ついつい口を噤んでしまう…良くないですね。
また、特許事務所の業務は属人化しているものも多く、いざ教育となると、固有の担当者の手隙を待たなければならないということもざらにあります。
このように、特許事務の教育はなかなかに難しいものなのです。教育自体のスピードと品質を求められる、教える方も教えられる方もなかなかにハード。しかし案件は待ってはくれません。出願は急がねばならないし、本期限は迫ってくる。これが特許事務教育あるあるなのです。
(3)マニュアルを作っておくことが大切!
ではどうすればいいのか。教育を見据えて、日々業務の効率化・精査・マニュアル化を進めておくことが非常に大切です。特許事務のお仕事は、冒頭に述べた混乱要因に、さらにクライアント様ごとの個別ルールが絡み、そしてそこに記憶に新しい電子帳簿法改正のような一般事務と同じ環境変化への対応も求められる仕事です。これを教育に使用することを見据えたマニュアルへ落としていくためには、まずは複雑な業務を紐解き、しっかりと整理する作業が必要となります。もちろんこの作業を主としてすすめるのは現場の事務員ですが、この労力を理解し、そのためのサポートをしていくことが、経営者である弁理士先生方にも求められるのではないでしょうか。特許事務の教育に力を入れることは、離職率を下げ、結果、強い事務所を造ることに繋がります。
私達は特許事務を専門とする会社です。お会いする特許事務所様には、現場の事務員さんに対する教育の重要さをお話しするよう心がけています。また、業務整理をはじめ、マニュアル作成、事務員育教育に対する支援もさせていただいております。
今まで事務員の教育には正直そこまで気を配っていなかったという先生方、この記事をお読みいただき、改めて現場の事務員さんと向き合うきっかけとしていただきたいなと思います。