特許事務所で働いている方や特許事務所の仕事に興味がある方はこんな疑問をもっているかもしれません。
現在、中国武漢から全世界に広がったコロナウィルスの対策として、学校閉鎖や各種イベント・演劇の中止、プロ野球や高校野球を含めたスポーツの中止、または大相撲のように無観客での実施など、社会にも大きな影響が出てきています。
特許業界にも少しずつ影響が出てきています。
実務職の場合には、例えば、クライアントとの会議が延期や中止となり、案件をスムーズに処理できなくなるといった問題がでてきています。
しかし、これ以上に大きな問題となりえることが今後起きてきそうです。
そこで、今回はコロナが特許事務所に最も影響を与えることは何かお話しします。
本記事の内容
・コロナが特許事務所に最も影響を与えることは何か
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、特許事務員として17年間特許事務所で働いた経験があり、特許事務全般の仕事に詳しいです。
本記事は、これから特許事務員の方や、これから特許事務所で特許事務として就職しようと考えている方や、特許事務に入って経験の浅い方に参考になります。
コロナが特許事務所に最も影響を与えるものは!?
なぜ郵便事情が最も深刻なのか以下に解説していきます。
郵便事情がなぜ特許事務所に深刻な影響を与えるのか
理由は以下のとおりです。
①中国や韓国のクライアントへ一部の書類を原本で郵送する必要がある
②中国、韓国、日本の郵送に遅延が生じており、今後遅延が一層悪化することが考えられる
③このため、日本や中国や韓国の各特許庁への重要な手続きをすぐに起こすことができないという問題が発生する
一般的な業界では、海外のクライアントとやり取りする書類は電子データがほとんどのため、郵便事情はそれほど深刻な問題でないかもしれません。
しかし、特許事務所の場合には、重要な書類については原本を送り必要があり、郵便事情の影響を受けやすいです。
また、原本を特許庁へ提出しないと手続きが完了したことが認められないため、手続きに遅延が生じクライアントに不利益を被ります。
では具体的な原本が必要な書類って何でしょうか。
以下では、具体的な原本が必要な書類について具体的に解説していきます。
中国や韓国の特許庁へ提出すべき原本とは以下のものが挙げられます。
・包括委任状
・商標の優先権証明書
一方、日本の特許庁でも、押印する書類は原本が必要です。
例えば、登録された商標の権利移転では、具体的には以下のものが挙げられます。
・委任状
・譲渡証
このため、例えば、韓国のクライアントが商標を現時点で権利移転したいと考えていても、提出が困難な状況であり、正式な手続きが認められないことになります。
今後、各国の特許庁で救済措置をとることも考えられますが、深刻な状況となることが予想されます。
では各国の郵便事情は現在どのようなものでしょうか。
以下に解説していきます。
現在の諸外国の郵便事情
韓国の郵便事情
韓国では、日本向けの国際郵便が、東京・大阪を除いた地域への発送が中止となりました。
東京・大阪の場合もEMS(国際スピード郵便)に限定され、1~2か月ほど遅延が生じることが見込まれています。
中国の郵便事情
中国でも、郵便物は大きく遅延しています。
これは、航空便運航が急減しているせいと考えられます。
日本の郵便事情
日本でも、中国や韓国向けの国際郵便も、大きな遅延が生じています。
また、日本では、3月13日(金)から当面の間、郵便局が中国向け国際郵便の引き受けを一時停止することが発表されました。
なお、航空扱いとする書状や郵便はがき等、一部の通常郵便物は除きます。
理由は発送の目途がたたないためです。
今後、日本から中国や韓国向けの郵便事情は深刻化することが予想されます。
郵便対策はどうすべき!?
今(2020年3月18日現在)なら郵送手段にFEDEX(フェデックス)を使うことがおすすめです。
FEDEXでは、中国や韓国への郵便の引き受けを行っています。
こんな中ですが、3月第1週に北京に向けてFEDEXで送った書類は、中3日ほどで現地に届きました。
とても頼りになりますよ。
コロナが特許事務に与える影響のまとめ
〇コロナが特許事務所に最も影響を与えるもの
諸外国(特に韓国、中国)と日本との郵便事情
〇理由
①中国や韓国のクライアントへ一部の書類を原本で郵送する必要がある
②中国、韓国、日本の郵送に遅延が生じており、今後遅延が一層悪化することが考えられる
③このため、日本や中国や韓国の各特許庁への重要な手続きをすぐに起こすことができないという問題が発生する
〇対策
今のところ郵便手段としてはFEDEX(フェデックス)を使うことがおすすめ
このブログではこれからもどんどん特許事務に役立つ情報を発信していきますのでご覧いただければと思います!