特許事務の仕事をこれまでに17年間しています。
特許事務以外にも得意の英語を活かして特許翻訳やOA対応まで担当しています!
けど向いてるかなあ… どんな人が向いているのだろう…
こんな悩みを解決しています。
本記事の内容
・内外特許事務に向いている人は!?
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、特許事務員として17年間特許事務所で働いた経験があり、外国特許事務に詳しいです。
外内特許事務の仕事内容は過去記事で解説しています。
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外内特許で注意すべきポイントを徹底解説【特許事務向け】
続きを見る
以下に内外特許事務に向いている人を3つのポイントについて解説してみたいと思います。
なお、これは私の私見であり、以下の点を全て満たしているからといって、特許事務所に即採用されるようなことはありませんので、その点はご了承ください。
こんな読者におすすめです
特許事務所への転職を考えている方
特許事務所で特許事務をしている方
内外特許事務に向いているタイプを3つ紹介
どれかに当てはまる方は目指してみるとよいかもです。
①英語の読み書きに抵抗がない人
②仕事が丁寧な人
③想像力がある人
順番に解説していきます。
①英語の読み書きに抵抗がない人
まずはじめに、英語の読み書き能力は必須です。
もちろん、ペラペラしゃべったり、長文をすらすら書いたりできるまでの能力は必要ありません。
しかし、毎日毎日、朝から晩まで、英語に接し続けるため、英語が不得意な人、英語が嫌いな人には向いていないと言えます。
英検やTOEICといったものがなかったとしても、毎日英語を読み書きすることが苦にならない人が向いていると思います。
一日の仕事のうち、どのくらい英語と接するか?私の一日を例にしますと、例えば電子メールは一日、英語で送信するメールが12通、日本語で送信するメールが6通など、英語で送信するものの方が多い日が多いです。
これとは別に、報告書やレターなどを、基本的には英語で作成する、または英語の電子メール・レターを日本語に翻訳して作成することになります。
②仕事が丁寧な人
また、丁寧な人が向いていると思います。
日本の特許庁は、提出した書類がそのまま反映されることが基本ですが、外国の特許庁の場合、現地の事務所のミスがあったり、そもそも外国の特許庁でのミスがあったりして、日本の代理人が指定した情報がそのまま反映されない場合も多々あります。
このため、現地の事務所から報告を受ける度に、一つ一つ、その内容をチェックする必要があります。
それも、欧州、アメリカ、中国など、出願した国毎に、そのチェックが必要となります。
このチェックを厭わず丁寧にできる人は、内外特許業務の素質があると言えます。
例えば、出願書類を例にすると、アメリカの特許出願の場合、願書、IDS、譲渡証・宣言書、明細書、図面などを、一つずつ確認することになります。
もちろんすべて英語です。
また、オフィスアクションへの応答の場合、こちらが応答指示したレターの内容、クレーム補正案の内容と、実際に提出された応答書、補正書の内容があっているかの確認。もちろんすべて英語です。
私が体験したミスの例としては、例えば優先権主張した日本の出願番号が間違っていたり、発明者の名前(スペル)が間違っていたり、出願書類から図面が一つ足りなかったりします。
本当にいろいろなパターンがあります。
ミスを見つけると、背筋が凍る一方で、見つけた達成感も感じられます(笑)。
余談ですが、ほぼミスがない日本の特許庁ですが、私の体験では、一度だけ、特許証における権利者の国籍が違ったことがありました。
③想像力がある人
想像力がある人はとても向いています。
想像力とは、自分の業務をスムーズに進めるためには何が必要かという想像ができることをここでは言っています。
単に機械的に指示された通りの内容で業務を進めるより、日本と外国の言葉の差、特許制度の差、時差など様々な差を念頭に入れて、処理を進めることができる人は、クライアントの信頼を得られる人です。
単なる期限管理でも、日本と外国の休日・祝日や、連絡相手である外国の代理人のクセ(例えば、返答期限を設定しても遅れる傾向にある、逆に1週間くらいの期限があれば対応してくれる)を念頭に入れて、業務を進めることで、締め切り間際に慌てたりすることなく、余裕をもって行うことができます。
もちろん、国内特許業務でも、想像力がある方は重宝されます。
ただ、外国特許業務の場合、日本国内の情報に加えて、外国の情報も頭に入れたうえで想像する能力が必要となるので、内外特許業務の特徴としてリストしました。
パソコン能力があればさらに有利
以上3点に加えて、内外特許業務に限りませんが、PC能力はあればあるほど、武器になります。
特許事務所で通常使用するのは、Word、Excel、メールソフト、それに特許管理ソフトです。
このうち、WordとExcelは、使い慣れておいて、ちょっとしたことをWordやExcelの機能を使って早く正確に行えるようにしておくと、業務がはかどります。
例えば、「置換」機能が挙げられます。
クライアントへの報告書、または外国の代理人への指示レターなど、前に作成したものと似たようなものを作成する場合は、参照する報告書の内容をコピーして、変更すべき場所、例えば出願番号や出願日などを一括して置き換えてしまえば、早く正確に新しい報告書が作成できます。
「置換」機能については過去記事で解説しています。
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特許事務の書類作成のミスを防ぐ裏技【無料テンプレートつき】
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あと慣れておくとよいのは、Windows 10の「コントロールパネル」です。
PCが不調なときに、どこの設定を確認して、変更すればよいか、自分なりのノウハウを持っていると、いざトラブルがあった際に周りの人を助けることもできますし、トラブル回避に走り回っている特許事務所のシステム担当者も喜びます(笑)。
あとは、図面をPowerPointで送ってくるクライアントがいたり、日本で使用した図面を外国用に変更するためにPaintを使ったり、アメリカの出願用書類にチェックを入れるためにAcrobatを使ったり。様々な局面で様々なソフトの使用が求められてきます。
使えるソフトが多いほど、重宝されるのでは、と思います。
このブログでは、Word、Excel等で最低限知っていると便利なTipsについても記事を書く予定です!
内外特許事務のまとめ
内外特許事務に向いている人のまとめ
①英語の読み書きに抵抗がない人
②仕事が丁寧な人
③想像力がある人
内外特許事務の仕事は大変ですが、経験を積めば積むほど専門性が磨かれますのでぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
このブログではこれからもどんどん知財に役立つ情報を発信していきますのでご覧いただければと思います!