特許管理

コロナで進む?特許事務所のテレワーク【コロナ禍収束後の知財業界】

沼グリコ
こんにちは沼グリコです。

今日は、ドクガク先生のブログ企画です。

「弁理士の日記念ブログ企画2020」に参加します。

こんにちはモチ湖です。

初めてのイベント参加ですね。今日は、どんな記事になりますか?

モチ湖
沼グリコ
テーマは、「特許事務所のテレワーク」です。

厚生労働省から「働き改革」の要請がありましたが、特許事務所は「機密情報」を扱うため、現実的には難しいという印象でした。

しかしながら、コロナ流行発生により「テレワーク」に移行せざる負えない状況になっています。

そこで、特許事務所のテレワークの実現に向けて、どのような問題点や課題があるかを考えてみます。

なるほど!

それでは、私はテレワーク化の実現手段について考えてみます。

モチ湖

本記事の内容

弁理士の日記念ブログ企画2020

【テーマ】 コロナ禍収束後の知財業界

・特許事務所のテレワークの問題点と実現手段がわかる。

 

従来の特許事務所の働き方

(1)守秘義務が前提

特許事務所で働くにあたり、一番大事なことは何でしょうか。特許事務所で働く人が最初に上司・先輩から叩き込まれることが「守秘義務」です。

特に明細書を担当する場合、クライアントから提供される情報は、全て未公開の情報であり、情報が漏れてしまうことは大問題となります。このため、特許事務所は、クライアントとの間で秘密保持契約を締結する一方、事務所運営においては秘密を保持することを最重要視しています。

 

(2)事務所外に情報を持ち出さない

これまで、「秘密を保持する」ために行われていたことは、「特許事務所から外に情報を持ち出さない」ことでした。そのために、物理的な方法としては、特許事務所のドアに常時カギをかけ、不審者が事務所内に立ち入ることを防止したり、事務所内の紙を捨てる際には必ずシュレッダーにかけたりすることを徹底しています。データ的にも、事務所内にサーバを構築して、事務所で取り扱う全てのデータを集約し、事務所内のパソコンからのみアクセス可能としているところが多いです。

クライアントから求められる機密保持性も高く、クライアントによっては、事務所の外に出願前の情報を持ち出すことを禁止しているところもあり、例えば発明者との打ち合わせの場合などでどうしても情報を持ち出さないといけない場合は、厳格な手続きを定めるところもあります。また、クライアントによっては、送信ミスによる情報漏洩を避けるため、原稿案を送る際などは電子メールではなくファクシミリでの送信でなければならないところもあります。またクライアントによっては、クラウドへのデータ保存を禁止するところもあります。

このように、特許事務所の業務は、基本的には事務所「内」で行うことが原則となっていました。

 

これからの特許事務所の働き方

(1)コロナ流行でテレワーク移行が急務

この状況に待ったをかけたのが、コロナウィルスです。2020年の3月以降、徐々に日本でも緊迫度を増してきましたが、4月7日に非常事態宣言が出された後は、多くの特許事務所でもテレワークを余儀なくされました。

最後まで残った東京等の非常事態宣言も2020年5月25日に解除され、多くの特許事務所で通常の業務体制に移行しはじめましたが、今後も第2波・第3波のコロナ流行発生が見込まれる中、再度テレワークが拡大する前に、特許事務所が検討しなければならない問題を挙げてみたいと思います。

 

(2)最大の課題は「セキュリティ」

一番大きな問題は、守秘義務をどのように守るのか、という点です。これまでのように、情報を事務所内に閉じ込めておくことができないものの、リモートワークによって情報漏洩の危険性が高まるようなことになってはいけません。テレワークへ移行はセキュリティ対策をしっかり行うことが重要だと考えています。

わかりました!それでは、セキュリティ対策とともに、テレワークの実現手段を整理してみます。
モチ湖

◎:すぐにでも導入可能
〇:セキュリティ対策が必要

 

(3)専用PCの配布とクラウドサービスの利用

テレワークへの移行は、セキュリティ対策をしっかり行った「テレワーク用PCの配布」「クラウドサービス」の導入によって無理なく実現できると考えます。

①専用PCの配布

従来は、特許事務所の中で「機密情報」を管理しているため、部外者の目に触れることはありません。しかしながら、テレワークは、持ち運びが容易なノートPCが利用されるため、盗難や盗聴等の脅威にさらされる機会が増加します。そのため、テレワークに使うPCのセキュリティ対策は、事務所内のPCよりも強固に行う必要があります。

例えば、テレワーク用PCは、ファイルのダウンロードや印刷などの機能を制限し、電子データを保存できないようにすることが有効です。これにより、盗難や紛失しても「機密情報」の漏洩を防ぐことができます。

ここで、テレワーク用PCでデータ保存を制限した場合、データの保存先が問題となりますが、これを解決するのが「クラウドサービス」です。

②クラウドサービスの利用

事務所内のサーバにテレワーク先からのアクセスする方法(例えばVPN)もありますが、ファイアウォールに「穴」をあける必要があるため、この「穴」から部外者が進入しないようにしっかりとしたセキュリティ対策が必要になります。このようなセキュリティ対策は、専門知識が必要となるため、システム管理者を専門に雇用している事務所以外は実現が難しいと思います。これに対し、「クラウドサービス」は、クラウド業者がセキュリティ対策をしっかり行っているため、このような心配がありません。

 

メモ

数年前は、クラウドにデータを保存すると、データ消失のリスクや情報漏えいの可能性があると指摘する人が多かったです。しかしながら、現在では、オンラインストレージを提供するGoogle,Amazonなどのセキュリティ対策がしっかりしてきていますので、データの安全性が高まっています。それよりも、パスワードが外部に漏洩しないように、クラウドサービスを利用するユーザ側のセキュリティ意識が重要になります。

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専用PCは、「印刷できない」や「クラウドサーバ以外にデータ保存ができない」ことがポイントですね。

できれば、定型業務の自動化を促進して、事務所外での人的作業を減らすとより「機密性」が高まります。

モチ湖
沼グリコ
なるほど! 

これであれば、事務所内と同じ機密性を保てそうですね。

「特許事務所のテレワークは難しい」は、先入観だったようですね。

あとは、クライアントの説得が課題でしょうか。

 

(4)クライアントの説得

例えば、事務所外への情報持ち出し禁止を設定しているクライアントに対しては、事務所がとっているリモートワークの方法の安全性を説明したうえで、各所員の自宅を特許事務所の分室と見做してもらうよう依頼したり、クラウドの使用を禁止するクライアントには、現在のクラウドの安全性を説明して使用解禁を訴えたり、従来とは異なる状況での事務所運営に理解を求めていくことも出てくるかもしれません。

 

まとめ

以上のように、「特許事務所のテレワーク」は、「守秘義務」があるので難しいと思われていましたが、きちんと対策をすれば実現可能であることがわかりました。

そのため、アフターコロナ以降、これまで特許事務所とクライアントとの間で尊重されてきた秘密保持の方法が、今後は変わってくることが予見されます。いずれ弁理士会などでリモートワークにおける秘密保持について検討されるかもしれませんが、それまでは、事務所ごとに、最善と思われる手立てを選んで、クライアントに十分説明したうえで、コロナ以降の業務を進めていくことになるでしょう。

このブログではこれからもどんどん特許事務に役立つ情報を発信していきますのでご覧いただければと思います!

 

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