特許事務

軽減申請書の書き方と注意点について解説!(審査請求料、特許料)

悩んでいる人
特許の軽減申請の手続って、どうな手続書類が必要なのかな?

慣れていないからの書類作成が不安だな。

沼グリコ
前回は、特許料等の減免制度の要件と軽減額について解説しました。

今回は、国内出願(審査請求料、特許料)の手続書類の書き方と注意点について解説します。

 

前回記事の内容

本記事の内容

特許料等の減免制度の「書類の書き方」がわかる。(審査請求料、特許料)

特許料等の減免制度の「注意点」がわかる。(審査請求料、特許料)

本記事の信頼性

この記事を書いている私は、特許事務員として17年間特許事務所で働いた経験があり特許事務に詳しいです。

 

 

「特許の軽減申請」の必要書類と書き方

国内出願の場合、2019年4月1日以降に審査請求した案件は、減免申請書と証明書の提出が不要となりました。これにより、軽減申請の手続は非常に簡単にできます。具体的には、「出願審査請求書」及び「特許料納付書」に【特記事項】の欄を設けるだけです。【特記事項】の具体的な記載は、以下の通りです。

・2019年4月1日以降に審査請求した案件は、減免申請書と証明書の提出が不要

・手続はインターネット出願ソフトで行う。

 

(1)出願審査請求料の減免申請

【書類名】         出願審査請求書
【提出日】         令和○○年○○月○○日
【あて先】         特許庁長官 殿
【出願の表示】
 【出願番号】       特願○○○○-○○○○○○
【請求項の数】       1
【請求人】
 【識別番号】       123456789
 【氏名又は名称】     〇▼株式会社
【代理人】 
 【識別番号】       987654321
 【弁理士】
 【氏名又は名称】     特許 次郎
【手数料の表示】
 【予納台帳番号】     123456
 【納付金額】       ○○○○○
【手数料に関する特記事項】 特許法施行令第10条第〇号〇に掲げる者に該当する請求人である。減免申請書の提出を省略する。

 

(2)特許料の減免申請

【書類名】          特許料納付書
【提出日】          令和○○年○○月○○日
【あて先】          特許庁長官 殿
【出願番号】         特願○○○○-○○○○○○
【請求項の数】        1
【特許出願人(又は特許権者)】
 【識別番号】        123456789
 【氏名又は名称】      〇▼株式会社
【納付者】
 【識別番号】        987654321
 【氏名又は名称】      特許 次郎
【納付年分】         第1年分から第3年分
【特許料等に関する特記事項】 特許法施行令第10条第〇号〇に掲げる者に該当する特許出願人(又は特許権者)である。減免申請書の提出を省略する。
【特許料の表示】
 【予納台帳番号】      123456
 【納付金額】        ○○○○○

 

(3)共同出願又は共有の場合

共同出願(又は共有)の場合は、【特許料等に関する特記事項】の欄に対象者の持ち分を記載するとともに、【その他】の欄を追加して、正規の納付金額に対する「軽減後の納付金額の割合」を記載します。

※【その他】の欄は、出願人Aは軽減なし、出願人Bの軽減率が1/2の場合、割合は3/4(=1×1/2+1/2×1/2)

【特許料等に関する特記事項】 特許法施行令第10条第1号イに掲げる者に該当する請求人である。(〇▼株式会社 持分〇/〇)。減免申請書の提出を省略する。特許法施行令第10条第1号ロに掲げる者に該当する請求人である。(▼〇株式会社 持分〇/〇)。減免申請書の提出を省略する。

【その他】          手数料の納付の割合〇/〇

 

(4)特許法施行令

【特記事項】の欄に記載する「特許法施行令」は、対象者の区分によって異なります。具体的には以下の通りです。

小企業等 対象者 特記事項
会社
個人事業主
製造業、建設業、運輸業その他の業種 特許法施行令第10条第1号イ
卸売業 特許法施行令第10条第1号ロ
サービス業 特許法施行令第10条第1号ハ
小売業 特許法施行令第10条第1号ニ
ゴム製品製造業 特許法施行令第10条第1号ホ
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 特許法施行令第10条第1号ヘ
旅館業 特許法施行令第10条第1号ト
組合
NPO法人
企業組合 特許法施行令第10条第1号チ
協業組合 特許法施行令第10条第1号リ
事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会 特許法施行令第10条第1号ヌ
農業協同組合、農業協同組合連合会 特許法施行令第10条第1号ル
漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会 特許法施行令第10条第1号ヲ
森林組合、森林組合連合会 特許法施行令第10条第1号ワ
商工組合、商工組合連合会 特許法施行令第10条第1号カ
商店街振興組合、商店街振興組合連合会 特許法施行令第10条第1号ヨ
消費生活協同組合、消費生活協同組合連合会 特許法施行令第10条第1号タ
酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会 特許法施行令第10条第1号レ
NPO法人 特許法施行令第10条第1号ソ
ベンチャー 中小ベンチャー企業(個人事業主) 特許法施行令第10条第5号イ
中小ベンチャー企業(法人) 特許法施行令第10条第5号ロ
小規模企業 小規模企業(個人事業主) 特許法施行令第10条第4号イ
小規模企業(法人) 特許法施行令第10条第4号ロ
研究開発型中小企業 試験研究費等比率が3%超(個人事業主) 特許法施行令第10条第2号イ
試験研究費等比率が3%超(会社) 特許法施行令第10条第2号ロ
中小企業技術革新支援制度(SBIR)の補助金等交付事業 特許法施行令第10条第2号ハ
承認経営革新計画における技術に関する研究開発事業 特許法施行令第10条第2号ニ
認定異分野連携新事業分野開拓計画における技術に関する研究開発事業 特許法施行令第10条第2号ホ
中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律の認定計画における特定研究開発等 特許法施行令第10条第2号ヘ

上記以外は特許庁ホームページでご確認下さい。
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/genmen/genmen20190401/02_98.html

 

「特許の軽減申請」の注意点

軽減申請は、上記の通り、手続は非常に簡単ですがいくつか注意点があります。注意点は、以下の3つです。

注意点

① 識別番号の欄を必ず記入する。(国内出願の場合)
特許料納付書は、通常は出願人識別番号の省略が可能ですが、軽減申請時は省略できないため、補正指令が来ます。

②  後から軽減申請できない。
軽減申請書は、後から提出することはできません(軽減を受けられません)ので注意が必要です。

③  手数料の計算は、特許庁の支援ツールを必ず使う。
軽減申請額は、下記の通り、計算ミスが起きやすいので必ず「手数料計算システム(特許庁)」を使って行ってください。
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/jidou-keisan/index.html

特許料の例:請求項数7,軽減1/3の場合

<正しい計算方法>
「1年分」の計算をしてから「3年分」の計算を行う。

【ステップ1】
2,100円+200円×7×1/3 =1,166.6・・円
=1,160円( 10円未満は切り捨て)
【ステップ2】
1,160円×3年分 =3,480円

<誤り>
「1~3年分」の計算を同時に行うと間違えます。

2,100円+200円×7×1/3×3年=3,500円

 

まとめ

このように、特許料等の軽減申請は、手続方法も簡単なので、対象企業なのに「軽減申請」を行わずに「出願審査請求」の指示が来た場合は、減免可能であることを提案してみてください!

このブログではこれからもどんどん特許事務に役立つ情報を発信していきますのでご覧いただければと思います!

ポイント

① 2019年4月1日以降に審査請求した案件は、減免申請書と証明書の提出が不要

②注意点は3つ

・識別番号の欄を必ず記入する。

・後から軽減申請できない。

・手数料の計算は、特許庁の支援ツールを必ず使う。

 

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