こんにちはモチ湖です。
特許実務者であり、株式会社ジムウインの設立メンバーで社長です!中堅特許事務所でシステム管理者を兼任しています。
特技は、事務作業の便利ツールを発掘することです!
コロナの影響で外出禁止が要請されているけど、特許事務の仕事は特許事務所でしかできないからどうしても外出しないといけないなあ・・・
こうした悩みをもっていませんか?
実は弁理士・特許技術者だけでなく、特許事務員も在宅可能なんです。
ただし、特許事務員が在宅するためには電子出願ソフトを自宅でも操作できるように設定する必要があります。
そこで、本記事では、自宅でも電子出願ソフトの操作ができる裏技を紹介します!
ただし、自己責任でお願いしますね。
前回の記事では、特許事務所内で電子出願ソフトのデータを共有する話をしましたが、
今回は特許事務所と自宅とでデータを共有する話です。
あわせてご覧頂ければと思います!
-
電子出願ソフトの裏技を紹介します【自己責任】
続きを見る
特許事務所は実は在宅しやすい
まずは特許事務は実は在宅できるという話をしていきます!
新型コロナウィルスの影響で在宅(リモートワーク)が注目されています。
特許事務所は、比較的在宅しやすい業務といえます。
実際に、在宅を想定したクラウド型特許管理システムが多数登場しております。
株式会社ジムウインではクラウド型特許管理システムを提供しています。詳しくはこちらです。
しかしながら、在宅は、パソコンや紙資料などを持ち歩く必要があるため、クライアントの機密情報の漏洩のリスクが少なからずあります。
そのため、在宅に移行している事務所は少ないのが現状です。
しかしながら、新型コロナウィルスの影響で在宅勤務に移行せざる負えなくなっていることから、特許事務所の在宅のモデル化が急がれています。
ここで、特許事務の業務内容は大きく2つあります。
①期限管理
②出願業務(特許庁への手続き)
①については、クラウド型特許管理システムで解決できます。
②出願業務(特許庁への手続き)については、電子出願ソフトを導入したパソコンを自宅に持ち込めばOKです。
ただし、電子出願ソフトのデータの共有化・セキュリティの取り扱いをどうすべきかが課題となります。
在宅を想定した電子出願ソフトのデータの共有方法は、セキュリティを確保したVPNを採用するなど方法はいろいろありますが有料であることが多く、小規模特許事務所だと採用が難しいかもしれません。
そこで今回は、無料で実現できるインターネット出願ソフトのデータの安全な共有方法を紹介します。
無料だと小規模事務所には嬉しいですね。
但し、自己責任でお願いいたします。
特許事務所と自宅で電子出願ソフトのデータを共有する方法
電子出願ソフトのデータを共有するために、Dropboxを使います。
Dropbox(ドロップボックス)
アメリカのDropbox Incが提供しているオンラインストレージサービス
Dropboxに保存してあるデータは、家のパソコンと、会社のパソコンとで自動的に同期されるサービスです。
しかも2GBまで無料で使用することができます。
Dropboxのインストール
まずはDropboxをインストールします。
インストールできるサイトはこちらです。
次にダウンロードしたプログラムを実行します。
インストールが完了すると上の図のようなウィンドウが起動します。
Dropboxのアカウントを作成し「ログイン」をクリックして下さい。
Dropboxフォルダはユーザーフォルダの直下に作成されます。
/Users/ユーザー名/Dropbox
Dropboxの設定
まずはDropboxの同期フォルダを変更します。
次に、インターネット出願ソフトのルートフォルダは桁数制限があるため、同期フォルダの変更を行います。
下の図の順序で、Dropboxの基本設定を開きます。
JPODATAを移動
JPODATAは以下のところに移動してください。
C:\JPODATA→C:\Dropbox\JPODATA
電子出願ソフトの設定(ルートフォルダ)
環境設定を開きます。
インターネット出願ソフト上の環境設定ではない点に注意してください。
ルートフォルダをC:\Dropbox\JPODATAに変更してください。
設定方法は、事務所PCと自宅PCそれぞれ同じです。
自宅PCに「電子出願ソフト」がインストールされていない場合は、別途インストール後に上記設定を行ってください。
電子証明書のインストールに注意してください。
これで設定完了です。これで自宅でも事務所でもインターネット出願ソフトが使えます。
Dropboxを用いた電子出願ソフトのデータ共有化のメリット、デメリット
ここではDropboxを用いた電子出願ソフトのデータ共有化のメリットとデメリットについてまとめておきます。
Dropboxを用いた電子出願ソフトのデータ共有化のメリット
①自宅でも出願業務ができる
②パソコンやiPhoneが壊れても、ファイルは守られる
③バックアップと世代管理ができる
うっかり削除してしまった場合に、復活できます。
世代管理できるのは30日間ですが、有料アカウントにすれば1年に延びます。
Dropboxを用いた電子出願ソフトのデータ共有化のデメリット
①特許庁は非推奨なので問題が生じた場合自己責任
②データ消失のリスクや情報漏洩の可能性は0ではない
順番に解説します。
①特許庁は非推奨なので問題が生じた場合自己責任
特許庁が非推奨なのは、おそらく並列処理に対応していないからであると予測されます。
上記の使い方は、<前の記事>と同じように競合問題が発生します。
https://help.dropbox.com/ja-jp/files-folders/share/conflicted-copy
しかしながら、競合問題は、自宅と事務所とで同時にアクセスしなければ、問題ないかと思います。
同時アクセスを防止するルール決め等の対策が必要。(自己責任でお願いいたします)
②データ消失のリスクや情報漏えいの可能性は0ではない。
とはいっても、Dropboxはサービスのセキュリティに関しては、まず心配ありません。
暗号化した通信(SSL)でファイル自体も暗号化しています。
そしてDropboxの従業員もユーザーのファイルを閲覧することは禁止しています。https://navi.dropbox.jp/dropbox-security
数年前は、オンラインストレージにデータを保存すると、データ消失のリスクや情報漏えいの可能性があると指摘する人が多かったです。
しかしながら、現在では、オンラインストレージを提供するGoogle,Amazonなどのセキュリティ対策がしっかりしてきていますので、データの安全性が高まっています。
心配であれば、よりセキュリティ対策が強固な有料版を採用するのがよろしいかと思います。
それよりも、オンラインストレージにアクセスするユーザ端末のセキュリティ対策を怠らないことが重要です。
DropBox側のセキュリティよりも、ユーザ側の不適切なパスワード管理や、ウィルス感染等が原因で、データ漏洩する可能性が高くなっていますので十分に注意してください。
電子出願ソフトの裏技のまとめ
以上のように、特許事務も準備が揃えれば在宅可能です。
①期限管理
※クラウド型特許管理システムで解決。株式会社ジムウインではクラウド型特許管理システムを提供しています。詳しくはこちら。
②出願業務(特許庁への手続き)
※Dropboxを使って安全にデータを共有化する
このブログではこれからもどんどん特許事務に役立つ情報を発信していきますのでご覧いただければと思います!