こんにちはモチ湖です。
特許実務者であり、株式会社ジムウインの設立メンバーで社長です!中堅特許事務所でシステム管理者を兼任しています。
特技は、事務作業の便利ツールを発掘することです!
電子出願ソフトを特許事務員の個々のパソコンに導入したい。
けれどそうするとデータが分散して管理上に問題がでてくるよなあ・・・
こうした疑問に答えます!
本記事を読めば、電子出願ソフトを特許事務員の個々のパソコンに導入でしても、データを共有化できる方法を理解できます。
ただし、特許庁は非推奨の方法ですので自己責任でお願いします。
電子出願ソフト
以下に電子出願ソフト(インターネット出願ソフト)について少し解説していきます。
もし、早く電子出願ソフトの共有化の方法を知りたい方は読み飛ばしてください。
電子出願ソフト(インターネット出願ソフト)は、2005年10月からインターネット出願が可能になりました。
従来は、特許庁の休庁日は、出願受付をしておらず、平日であっても朝夜は時間的な制限がありました。
しかしながら、インターネット出願ソフトの誕生により、現在は24時間365日の受付が可能になって便利になりました。(メンテナンス期間は除きます)
現在も、従来のように、紙の書類に特許印紙を貼った紙出願もできますが、特許庁に持参又は郵送する出願することもできます。
しかし、電子化する庁費用(電子化手数料)が別途かかるため、特許事務所では、インターネット出願ソフトを介して行っていると思います。
ただし、手続件数が増えると1台では頼りなくなります。
一台のインターネット出願ソフトを複数の特許事務員で共有している事務所が多いと思います。
しかしながら、処理件数が増える(特許事務所の規模が大きくなる)と、インターネット出願ソフトを占有する時間が増えてくるため、他の特許事務員がインターネット出願ソフトを使用する機会が減少します。
そうすると、特許事務員ごとにインターネット出願ソフトをインストールしたいというニーズが増えてきます。
特許事務員ごとにインターネット出願ソフトすると、それぞれのPCにデータが分散することになります。
例えば、特許事務員Aさんの処理分はPC1に、特許事務員Bさんの処理分はPC2に保存されることになります。
事務処理完了後に、共有ファイルサーバにデータを移動させてバックアップする方法もありますが、その分手間が増えてしまい、データ消し忘れによるセキュリティ問題も発生します。
そこで、電子出願ソフトのデータを共有化させることが有効です。
以下にそのやり方をお話しします。
電子出願ソフトのデータを共有する方法
それでは、特許事務員ごとにインターネット出願ソフトしても、データ共有する方法を解説します。
特許庁のサイトでは、推奨していないので自己責任でお願いいたします。
もし、特許事務員のパソコンごとに電子出願ソフトを導入すると、以下の図のように、データが分散化してしまいます。
データの分散化を避けるために、下の図のように、共有サーバを準備してデータを共有化します。
以下ではデータを共有するためのサーバの設定方法について解説していきます。
1.共有サーバを用意する
サーバは専用サーバを立ててもよいですし、特許事務所の規模が小さい場合にはNAS(ネットワークHDD)を使うのもありです。
ここでは、NASを使った方法を解説していきます。
まず、JPODATAを共有サーバに移動させます。
通常、元データは「C:\JPODATA」にあります。
2.各特許事務員のPC設定(ネットワークドライブの設定)
まずは、「エクスプローラー」のウィンドウ上で右クリックをして、「ネットワークドライブの割り当て」を選択します。
次に、「JPODATA」が保存されているフォルダを選択します。
上の図は、「\\server\share\JPODATA」に保存されている場合の例示です。
すると、上の図のように、「ネットワークドライブ X:」が作成され、完了します。
3.各特許事務員のPC設定(電子出願ソフトの設定)
まずは上の図のように、環境設定を開きます。
※電子出願ソフト上の環境設定ではない点に注意してください。
次に上の図のようにルートフォルダをネットワークドライブ内の「JPDATA」に変更します。
これで設定完了です。
共有サーバを利用することのメリットとデメリット
以上のように、共有サーバを用意すれば、特許事務員のそれぞれのパソコンに電子出願ソフトを導入しても、データを一元管理できるというメリットがあります。
ただし、この方法は特許庁は非推奨ですので、問題が起きた場合には自己責任でお願いします。
この点がデメリットともいえます。
ではなぜ特許庁は非推奨としているのか。
推測ですが以下に解説します。
それは、おそらく電子出願ソフトが、並列処理に対応していないからと考えられます。
つまり、特許庁が、JPDATEAを共有フォルダにすることを推奨していない理由は、おそらく、データ処理の競合問題を解決していないためだと推測されます。
ここで、競合問題とは、例えば、2人のユーザが同一データに同時に更新をした場合、一方のユーザのデータが更新されない場合などがあります。
そのため、同時に同じデータにアクセスしないようにすれば、問題は発生しないと思います。
とある特許事務所でこのような運用をしていますが、今のところ問題なく動作しているようです。
しかしながら、自己責任でお願いいたします。
電子出願ソフトの裏技のまとめ
以上のように、電子出願ソフトのデータを一元化する方法を解説してきました。
私が運営する株式会社ジムウインでは、特許事務の代行サービスを行っています。
詳しくはこちらです。
このブログではこれからもどんどん特許事務に役立つ情報を発信していきますのでご覧いただければと思います!