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米国特許の宣誓書と宣言書で注意すべきことは!?

沼グリコ
こんにちは沼グリコです。

特許事務の仕事をこれまでに17年間しています。

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外国特許事務の仕事内容をわかりやすく解説します

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沼グリコ
外国特許事務の中でも、米国特許の申請書類は日本の場合と大きく異なり、厄介なケースがでてきます。

特に、宣誓書と宣言書では注意すべきポイントがあります。

そこで今回は米国特許の宣誓書と宣言書で注意すべきことについてお話ししたいと思います!

 

本記事の内容

・米国特許には「宣誓書」「宣言書」が必要です

・「宣誓書」「宣言書」の作成で注意すべきことは?

 

本記事の信頼性

この記事を書いている私は、特許事務員として17年間特許事務所で働いた経験があり、外国特許事務に詳しいです。

こんな読者におすすめです

特許事務所への転職を考えている方

開業したての弁理士や小規模の特許事務所を開業している弁理士で、商標の経験が浅い方

 

本記事を読めば、米国特許の宣誓書や宣言書について理解が深まりますよ。

米国特許に宣誓書・宣言書が必要です

沼グリコ

日本などの国では、出願人は、会社になりますが、米国の場合は、発明者から出願する権利を譲渡された会社、という形式を取ります。

このため、米国に特許出願する場合には、発明者個人が署名しなければならない書類「宣誓書」(oath)「宣言書」(declaration)があります。

米国に出願する際に必要な書類

・明細書

・図面

・宣誓書または宣言書

「宣誓書」「宣言書」はいずれも発明者が原発明者であると信じるなどを述べるものです(37CFR1.63(a)(3))。

 

「宣誓書」は公証人などの前で宣誓して署名することにより作成されるものであるのに対し、「宣言書」は宣誓なしで作成されます。

「宣誓書」「宣言書」のいずれかを提出すればよいですが、米国特許庁は、宣誓書ではなく宣言書を提出することをすすめています(MPEP §602 I.A)。

 

「宣誓書」「宣言書」のいずれにおいても発明者の署名が必要ですが、もし発明者がすでに退職してしまった場合にはどうすべきでしょうか。

発明者が退職するといったケースは「宣誓書」「宣言書」の作成で注意すべきところです。

以下で解説していきます。

宣誓書・宣言書の作成で注意すべきことは?

沼グリコ

よくクライアントから、米国出願の準備をはじめているが、発明者が退職してしまい連絡がとれない、といった相談を受けます。

そこで、以下では、発明者が退職してしまった場合どうすべきかお話ししていきます。

発明者から署名をもらえない場合には、Substitute Statementというものを提出すれば代用できます。

ただし、Substitute Statementで代用できるケースは以下のとおりです。

・発明者が死亡した場合

・発明者が法的無能力の場合

・発明者が「宣誓書」「宣言書」への署名を拒否した場合

・たゆまぬ努力の結果、発明者を発見できなかった場合

 

一方、退職したから、という事実のみではSubstitute Statementを用いることはできません。

そこで、発明者が退職した場合にSubstitute Statementを提出する場合には、発明者から署名をもらう努力をしたことが必要となります。

署名をもらう努力の具体例は以下のとおりです。

・発明者に書類を送って署名を依頼した

・発明者に電話して署名を依頼した

こうして署名をもらう努力を行った結果、署名を拒否されたり、連絡がつかなった場合にはじめてSubstitute Statementの提出が認められます。

なお、実際にどのような努力をしたか証明する証拠をUSPTOに提出する必要はありません。

しかし、証拠自体は、万一出願人が確保しておくことをおすすめします。

以上のように、Substitute Statementで代用できますが、では署名は誰がすればよいでしょうか。

以下に解説していきます。

Substitute Statementに署名できる人

Substitute Statementに署名できる人も限られます。

・発明者が死亡した場合や発明者が法的無能力の場合は、その法定代理人

・行方不明の発明者以外の共同発明者(この場合、共同発明者全員の署名が必要になります)

・譲受人(assignee)

・行方不明の発明者が委託する義務を有する相手(a person to whom the missing inventor is obligated to assign)

・本件に対して十分な所有権を有する人物(a person who otherwise shows sufficient proprietary interest in the matter)

行方不明の発明者が委託する義務を有する相手の場合、または、本件に対して十分な所有権を有する人物は、本当にSubstitute Statementに署名する権利があるか、例えば雇用契約書などの証拠を求められたり、Petitionが求められたりします。

Substitute Declarationの書類のフォーマットと書き方はこちらから見れます。

米国特許の宣誓書・宣言書のまとめ

 発明が完成してから、アメリカを含む外国への特許出願まで時間がかかる場合には、発明者の署名ができないといった事態が起こり得ます。

 退職した方に連絡は取りにくい、という方もいらっしゃると思いますが、とにかく連絡を取る努力をする!ということが一番の近道だということを、知っておくと便利だと思います。

このブログではこれからもどんどん知財に役立つ情報を発信していきますのでご覧いただければと思います!

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