特許事務の仕事をこれまでに17年間しています。
特許事務以外にも得意の英語を活かして特許翻訳やOA対応まで担当しています!
手数料を払うときに注意すべきことも教えてほしいな。
こんな悩みを解決しています。
本記事の内容
・マドプロ出願の手数料を払う方法
・手数料で注意すべきこと
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、特許事務員として17年間特許事務所で働いた経験があり、外国特許事務に詳しいです。
こんな読者におすすめです
特許事務所への転職を考えている方
開業したての弁理士や小規模の特許事務所を開業している弁理士で、商標の経験が浅い方
本記事を読めば、マドプロ出願について理解できますよ。
マドプロ出願の手数料の払い方
という方のために解説記事を書いています。
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マドプロ出願とは|登録までの流れと注意ポイントを徹底解説
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説明を簡単にするために振り込みのみについて触れましたが、
日本の事務所が使用できる支払い方法はあと2つあります。
①WIPOに口座を開き、口座から費用を引き落とす
②クレジットカード支払う
②については、オンラインによる更新手続き、WIPOから特定の通報(欠陥通知など)に対する手数料の電子納付、に限られることに注意して下さい。
①については、口座を開設したらその口座番号などを願書に記入するだけで自動で引き落とされることになります。
以下では①WIPOに口座を開いた場合に、注意すべきポイントを紹介していきます。
マドプロで手数料を払うときに注意すべきこと
マドプロで手数料を払うときに注意すべきことは以下のとおりです。
①WIPOが何の目的で送金があったかを確認できるように「受取人への連絡事項」の欄に必要情報を記入すること
必要情報とは以下のとおりです。
・支払人の名称及び住所
・手続コード (EX、RE等)
・商標番号(国際商標登録の出願時の場合は)本国の登録番号、(その他の取引の場合は)国際登録番号
・商標(可能であれば)又は標章の言語的要素
・商標の名義人の名称(支払人と異なる場合)
手続コードとは、WIPOが設定したアルファベット2~3文字のコードをいいます。
一覧はこちらです。
②WIPOへの手数料の振り込みは、願書などを提出する前に行うこと
マドプロの願書等には、手数料を振り込んだ事実を記入する欄があります。
このため、WIPOへの手数料の振り込みは、日本特許庁へ、またはWIPOへ、願書等を提出する「前」に行わなければなりません。
マドプロの願書には、手数料の振り込みを記入する欄があります。
以下では、願書に振り込みの情報を記入する方法を解説していきます。
なお願書の雛形はこちらのサイトで入手できます。
例えば、願書(MM2)の9ページには、手数料の計算と、その支払い方法を記入するページがあります。
【9ページの(a)INSTRUCTIONS TO DEBIT FROM A CURRENT ACOUNT】
引用:https://www.jpo.go.jp/system/trademark/madrid/madopro0218.html(以下同じ。)
ここでは、WIPOに開設した口座から引き落とす場合に使用します。
【9ページの(b) FEE CALCULATION SHEET】
この欄では、WIPOの手数料(Fee Calculatorで計算した金額)を転記します。
【9ページの(c)METHOD OF PAYMENT】
この欄では、銀行振り込みした際に記入します。
上の図のとおり、□が3つ並んでいます。
一番下は、郵便振替で、これはヨーロッパ域内でしか使用できません。
真ん中が、銀行振り込みをした直後に願書を提出する際に使用する欄であり、この欄に必要な情報を記入します。
具体的には、
・振込した事務所名、
・振込をした日付、
を記入すればOKです。
この情報と、銀行振込の際にREMITTANCE INFORMATIONに記入した情報とで、WIPOが突合せを行います。
銀行振込をしてからしばらくして願書を提出する場合、またはWIPOが送金を確実に受領したことが判明してから提出したい、などという場合には、一番上の□を用います。
銀行送金をしてから10日前後で、WIPOから支払いの受領書(Receipt)が送付されます。この受領書に記載されている受領書の番号を記入します。
日本の特許庁への支払い(予納、クレジットカードなど)、外国の代理人への支払い(相手方からの請求書に基づく支払い)、とは異なり、WIPOへの支払いはWIPOに手続の書類が届く「前」に銀行振込をしなければなりません。
このため、特許事務では、きちんと「誰が」「何のために」「どの商標について」支払うのかを記載しなければならない点に注意が必要です。
マドプロ出願のまとめ
マドプロで手数料を払うときに注意すべきこと
①WIPOが何の目的で送金があったかを確認できるように「受取人への連絡事項」の欄に必要情報を記入すること
②WIPOへの手数料の振り込みは、願書などを提出する前に行うこと
このブログではこれからもどんどん知財に役立つ情報を発信していきますのでご覧いただければと思います!