慣れていないからの書類作成が不安だな。
まずは、特許料等の減免制度の要件と軽減額について解説します。
次回、手続書類について解説しますね。
本記事の内容
・特許料等の減免制度の「対象企業」がわかる。 ・特許料等の減免制度の「減免される手数料」及び「軽減内容」がわかる。
特許料等の減免制度の対象企業・軽減手数料
一定の要件を満たした中小企業等は、「審査請求料」及び「特許料(1~10年分)」、「国際出願(PCT出願)に係る手数料」の減免措置が受けられます。具体的な要件と軽減される手数料は、以下で解説いたします。(出典:特許庁ホームページ:手数料等の減免制度について)
①中小企業等(1/2軽減)
<国内出願>
出願審査請求料 :1/2
特許料(1~10年) :1/2
<PCT国際出願>
送付手数料・調査手数料 :1/2
予備審査手数料 :1/2
国際出願手数料 :1/2
取扱手数料 :1/2
<対象企業>
中小企業(会社、個人事業主、組合・NPO法人)
研究開発に力を入れている中小企業(法人・個人事業主)
試験研究機関等(大学、独立行政法人等)
②小規模企業・中小ベンチャー(1/3軽減)
<国内出願>
出願審査請求料 :1/3
特許料(1~10年) :1/3
<PCT国際出願>
送付手数料・調査手数料 :1/3
予備審査手数料 :1/3
国際出願手数料 :2/3
取扱手数料 :2/3
③福島関連中小企業(1/4軽減)
<国内出願>
出願審査請求料 :1/4
特許料(1~10年) :1/4
<PCT国際出願>
送付手数料・調査手数料 :1/4
予備審査手数料 :1/4
国際出願手数料 :3/4
取扱手数料 :3/4
④法人税非課税中小企業(1/2軽減)
<国内出願>
出願審査請求料 :1/2
特許料(1~10年) :1/2
<PCT国際出願>
対象外
<対象企業>
法人税非課税中小企業(法人)
⑤個人(免除)
<国内出願>
出願審査請求料 :免除または1/2
特許料(1~3年) :免除または1/2
特許料(4~10年) :1/2
<PCT国際出願>
対象外
<対象企業>
個人(市町村民税非課税者等)
メモ
減免措置を受ける対象企業は、それぞれ一定の要件を満たす必要があります。具体的な要件は、特許庁のホームページでご確認ください。
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/genmen/genmen20190401/index.html
また、外国人も減免措置を受ける対象者となります。要件は、以下のURLで確認できます。
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/genmen/genmen20190401/index.html#q01
特許料等の減免制度のまとめ
審査請求料やPCT手数料は、庁費用として比較的高い手数料に分類されますので、減免制度を利用するだけで、特許取得にかかる費用を抑えることが出来ます。
特許事務員の皆様にも、この減免対象の要件を知っておいて頂き、対象企業なのに「軽減申請」を行わずに「出願審査請求」の指示が来た場合は、減免可能であることを提案してみてください。
知財部がない中小企業等は、このような減免制度を知らないケースが多いので、減免制度の活用を提案するだけで非常に喜ばれます。
手続方法も簡単なので、自分の業務を圧迫することにもならないので、ぜひチャレンジして見てください!皆様のキャリアアップの糧にもなると思います。
このブログではこれからもどんどん特許事務に役立つ情報を発信していきますのでご覧いただければと思います!
-
軽減申請書の書き方と注意点について解説!(審査請求料、特許料)
続きを見る
-
PCT出願費用が戻ってくる?国際出願促進交付金(特許軽減申請)
続きを見る
-
軽減申請書の書き方についてPCT編!(送付・調査・予備審査手数料)
続きを見る